売上総利益は、商品やサービスを販売して得た売上高から、その商品やサービスに直接対応する売上原価を差し引いた利益です。「粗利」または「粗利益」と呼ばれることもあります。

売上総利益とは

売上総利益の基本的な計算式は次のとおりです。

売上総利益=売上高-売上原価

売上高が大きくても、商品を仕入れたり製造したりするために多額の原価がかかれば、売上総利益は少なくなります。そのため、売上総利益は商品やサービスそのものの基本的な採算性を見る利益です。

売上原価に含まれるもの

何を売上原価へ含めるかは業種によって異なります。

  • 小売業:販売した商品の仕入原価
  • 製造業:材料費、製造部門の人件費、工場経費など
  • サービス業:サービス提供に直接対応する人件費や外注費など

商品の仕入額をそのまま売上原価にするとは限りません。小売業では、期首商品棚卸高と当期仕入高を合計し、期末に残った商品棚卸高を差し引いて、実際に販売した商品の原価を求めます。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

計算例

売上高が1,000万円、販売した商品の売上原価が650万円だったとします。

売上総利益=1,000万円-650万円=350万円

商品販売から350万円が残りました。ただし、この段階では販売員や管理部門の給与、広告費、店舗家賃などをまだ差し引いていません。

売上総利益率とは

売上高に対して売上総利益がどれくらい残ったかを示す割合です。「粗利率」とも呼ばれます。

売上総利益率(%)=売上総利益 ÷ 売上高 × 100

上の例では、350万円÷1,000万円×100=35%です。売上100円当たり35円が、販売費及び一般管理費と営業利益の原資として残ることを意味します。

売上総利益を改善する方法

  • 販売価格を見直す
  • 仕入価格や材料費を下げる
  • 値引きや廃棄を減らす
  • 粗利率の高い商品構成へ変える
  • 製造工程を改善して材料ロスを減らす

売上高が増えても、値引き販売や低採算商品の比率上昇によって売上総利益率が下がれば、営業利益が伸びないことがあります。売上高と売上総利益をセットで見ることが大切です。

営業利益との違い

売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いたものが営業利益です。

営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費

売上総利益が黒字でも、広告費や人件費、家賃などが大きければ営業利益は赤字になります。売上総利益は商品・サービスの採算、営業利益は販売活動と管理活動まで含む本業全体の採算を示します。

見る際の注意点

原価の範囲や費用の分類が企業間で完全に同じとは限りません。また、在庫の評価方法や評価損によって売上原価が変わることもあります。企業比較では、同じ業種を選び、会計方針や原価構造も確認しましょう。

まとめ

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた利益です。商品やサービス自体の基本的な採算を示し、売上総利益率を使えば売上規模の異なる企業も比較できます。営業利益との違いは、販売費及び一般管理費をまだ差し引いていない点です。

参考資料