LTVは、顧客との取引期間全体を通じて企業にもたらされる価値を表す指標です。日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれます。初回購入だけでなく、継続購入や維持費用まで考える点が特徴です。
LTVとは
LTVは「Life Time Value」の略として日本で広く使われます。英語圏ではCLVまたはCLTVと表記されることもあります。
新規顧客を獲得しても、1回だけ低額購入して離脱すれば得られる価値は小さくなります。継続利用、追加購入、紹介が増えれば価値は大きくなります。
代表的な計算方法
簡単な売上ベースでは次のように計算できます。
LTV=平均購入単価×平均購入回数
利益を重視する場合は粗利率と維持費用を含めます。
LTV=平均購入単価×平均購入頻度×平均継続期間×粗利率-顧客維持費用
サブスクリプションでは、条件を単純化して次の式を使う場合があります。
LTV=1顧客当たり月間粗利益÷月次解約率
解約率が期間中一定であるなど強い前提を置くため、実際の顧客データと照合します。
計算例
月額売上5,000円、粗利率80%、月次解約率4%なら、単純化したLTVは次のとおりです。
月間粗利益=5,000円×80%=4,000円
LTV=4,000円÷4%=10万円
これは将来の価値を保証する数字ではなく、現在の単価、粗利率、解約率が続くと仮定した推計です。
LTVが重要な理由
顧客獲得費用であるCACと比較すると、獲得へいくら使えるかを考えられます。LTVがCACを下回れば、顧客を増やすほど損失が広がる可能性があります。
ただし、LTVは長期間で得る利益、CACは先に支払う費用です。LTV/CAC比率だけでなく、獲得費用を何か月で回収できるかも確認します。
改善方法
- 解約理由を調べ、初期利用を支援する
- 商品品質やサポートを改善する
- 顧客に合う上位プランや関連商品を案内する
- 過度な値引きを減らし、粗利率を改善する
- 休眠顧客へ適切な再利用機会を提供する
短期的な追加販売が信頼を損なえば、将来のLTVを下げます。顧客価値の向上と両立させます。
注意点
売上ベースか利益ベースか、何年間を対象にするか、値引き・返品・サポート費用を含むかで数字は変わります。部門間で定義を統一し、推計と実績を区別します。
新規顧客と既存顧客、獲得チャネル、商品、契約時期ごとにLTVが異なるため、全体平均だけでなく顧客群別に確認します。
まとめ
LTVは、顧客との関係全体から得られる価値です。単価、継続期間、粗利、維持費用を基に計算し、CACや回収期間と組み合わせて投資判断に使います。計算定義と仮定を必ず明記しましょう。