損益計算書は、一定期間にどれだけ収益を得て、どんな費用がかかり、いくら利益が残ったかを示します。上から下へ計算の段階を追うと、利益が変化した場所を見つけられます。
最初に期間と単位を確認する
年度、四半期、月次のどれか、金額単位が円・千円・百万円のどれかを確認します。単体決算か連結決算か、実績か予想かも見ます。ここを間違えると全ての比較がずれます。
売上高を見る
売上高は事業規模を示します。前期比だけでなく、商品別・地域別・顧客別の変化が開示されていれば確認します。
「売上が10%増えた」で終わらず、数量増加、値上げ、新規事業、為替など、どの要因かを調べます。
売上総利益を見る
売上総利益は、売上高から売上原価を引いた利益です。粗利とも呼ばれます。
売上総利益率=売上総利益÷売上高×100
率が低下した場合、仕入価格上昇、値引き、商品構成の変化、製造効率などが候補です。
営業利益を見る
営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益です。本業全体の採算を見る手掛かりになります。
広告費を増やして営業利益が減っても、将来の顧客獲得につながる投資かもしれません。費用の性質と経営方針を確認します。
経常利益と税引前利益を見る
日本基準で表示される経常利益は、営業利益に受取利息、支払利息などの営業外項目を加減します。借入負担や本業以外の通常的な収益が影響します。
特別利益・損失などを反映した税引前利益では、一時的な資産売却、減損、災害損失などがないか見ます。
当期純利益を見る
当期純利益は税金などを反映した最終段階の利益です。ROEなどの計算にも使われます。ただし、一時的項目の影響が大きい場合、次期も同じ利益が続くとは限りません。
実際の読み方5ステップ
- 売上高と各利益を前期と比較する
- 売上総利益率と営業利益率を計算する
- 利益率が変わった段階を特定する
- 注記や決算説明資料で理由を確認する
- キャッシュフローと貸借対照表で裏付ける
よくある誤解
利益と現金は同じではありません。海外企業や異なる会計基準では利益区分が異なる場合があります。また、赤字がすべて悪い、増益がすべて良いとは限らず、成長投資や一時的項目を確認する必要があります。
まとめ
損益計算書は、売上高、売上総利益、営業利益、税引前利益、当期純利益の順に読みます。変化した段階を特定し、利益率と注記で原因を確認しましょう。